blog.hekt.org

クライマックス・シリーズ 2ndステージ

手遅れにならないうちに駆け込みで。

ものすごくドラマチックなシリーズでしたね。第一戦の逆転サヨナラ満塁お釣りなしホームランはもちろんのこと、田中の投球もそうだし、第四戦に岩隈が志願登板したこと、そして決定的なスリーランを打たれたこと、すべてがドラマチック。打たれたとき、岩隈と野村監督の二人がそろって苦笑いしていたのが印象に残っています。

岩隈といえば、第二戦敗北の責任投手で、それはイーグルスの「三本柱」の負け越しが決まった瞬間でもあります。イーグルスは三本柱以外の先発投手の層が薄いということはずっと言われてきたことですし、事実王手をかけられて迎えた第四戦にはルーキーの藤原を送り出してきました。

さらにファイターズにはアドバンテージの一勝がありました。そういう状況において、三本柱の敗北イコールクライマックスシリーズ敗退と言っても過言ではないでしょう。つまり岩隈は、第二戦の敗北と第四戦の敗北、二度あった「終戦」の両方のマウンドに立っていたことになります。なんとわかりやすい悲劇のヒーローっぷりでしょう。個人的に一番ドラマを感じたのはここでした。

とはいうものの、現実的にはイーグルスの敗退を決定づけたのは第一戦の逆転サヨナラ負けでしょうね。あれでイーグルスの勢いは完全に止まり、逆にファイターズを勢いづける結果になってしまいました。打たれた福盛は、もしかしたら岩隈以上に悔しさを感じているかもしれません。

さて、そろそろファイターズの話をしましょう。打線の陰に隠れてしまいましたが、投手陣もがんばりました。

初戦こそ勢いに乗ったイーグルス打線に効果的に加点されてしまいましたが、第二戦は投手陣ががんばりました。先発糸数が7回を1失点。そして8回の無死満塁のピンチを金森が無失点で切り抜け、武田久が最後を締める。第一戦で得た勢いをさらに加速させたのは投手陣でした。

第三戦も、田中の前に負けはしましたが、先発の八木が5回3失点と試合を作り、第一戦で失点した3人を含む4投手がそれぞれ1イニングずつ無失点に抑えます。そして日本シリーズ出場権を得た第四戦。先発の藤井がやはり5回3失点で試合を作ると、4番手の金森が1失点したものの、5投手のリレーで一度も追いつかれることなく逃げ切りました。

こうして振り返ると、やはり全員野球、投打につなぐ野球を実践できたのが大きかったのだと思います。日本シリーズで対戦するジャイアンツは簡単に勝てる相手ではないですが、こういう野球を続けて、日本プロ野球の頂点にふさわしい好勝負を見せて欲しいですね。

でも正直、CSで今季を終わらせて欲しかったという思いもちょっとあったりします。パリーグのCS 2ndは、それだけいい勝負だった。そうそう、試合終了後に両軍で野村監督を胴上げしたのもよかったですよね。ノーサイド。